日本神経学会では、認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態をいい、それが意識障害がないときに見られる」と定義しています。 脳の器質変化に伴い中核症状がおこります。 中核症状には、「記憶障害」「見当識障害」「失認・失行・失語」「実行機能障害・判断力障害があります。
- 記憶障害・・・物忘れで昨日の晩御飯が思い出せない等ありますが、食事内容だけでなく食事したこと自体を忘れてしまいます。行為自体を忘れてしまうので服薬したことを忘れて薬を重複して飲んだりする危険性があります。
- 見当識障害・・・日付・曜日や季節、今居る所が分からなくなる障害です。外出して戻れない、家が分からなくなった等があります。
- 失認・失行・失語・・・失認は五感の感覚が働かない状態です。失行は、手足は麻痺していないのに今までできていた行動(歯磨きやボタンを留める等)ができない状態です。失語は言葉を聞く、話す、読む、書くといった言語情報が機能しない状態です。
- 実行機能障害・判断力障害・・・以前は段取り通りにできていた行動や善悪の判断ができなくなる状態です。 例えば、料理ができなくなったり、リモコンを使ってテレビのスイッチを入れられなくなる例がよく知られています。
周辺症状・・・中核症状が原因となり社会生活に不具合が起きてきます。具体的には 「徘徊」「抑うつ」「失禁・弄便」「幻覚」「妄想」「睡眠障害」「暴言・暴力 」などです。当てもなくウロウロしたり、落込んで引きこもってしまったりやる気をなくしてしまったり便を触ってしまったり幻覚や幻聴がおこったり、物盗られ妄想が起きたり、眠れなかったり、思い通りにならない時に暴言を言ったり暴力をしたりすることです。実際には一番世話をしている人に向かって出現することが多いです。以前は問題行動などと呼ばれていましたが、現在では行動心理症状(BPSD)と呼ばれています。
- 認知症の人との付き合い方はいつも笑顔で接する。
- できることを見極めてできることをしてもらう。
- 「叱らない」「指摘しない」「説得しない」ことです。どうしてこんな事をするの?とか言って聞かせようとすると逆効果で周辺症状に繋がりかねません。
- 環境を変えない。とても大切なことです。環境が変わることにより戸惑い、迷います。
グループホームの良い所は変わらない環境で顔なじみの入居者と顔なじみの職員と共同生活することです。特にサポートハウス藤は民家型で昔から住んでいる環境とあまり違いがありません。そして、職員は入居者のできる事、できない事を知っていて性格も過去の生活歴なども知っています。自尊心を傷つけないように一緒に生活することで安心して生活し、穏やかな日々を送ることが出来ます。現在ではグループホームの良さを他の介護保険施設でも取り入れユニット型の導入が進んでいますが、認知症に対する対応はほかの施設に負けない自負があり、入居者様が安心して穏やかな毎日を送る為に日々努めています。